22卒のマスコミ就活生らしき学生さんからのフォローが少し増えました。
ありがとうございます(_ _)♡
「就活生なのに、こんな新聞記者すぐ辞めたヤツをフォローするなんて、なかなか変態だな」とニヤニヤしつつ、未来の日本のジャーナリズムを引っ張っていく記者になってほしいなと、心から応援しています。
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私は、新聞記者を2年弱で辞めました。
でも、学生時代、新聞記者への憧れは人一倍強かった。
だから就活もかなり本気で頑張りました。
私のゼミの先生は元新聞記者で、ゼミ生もマスコミ志望ばっかりでした。
就活が本格化する前に「マスコミ就活勉強会」的なものを結成。メンバーは7人ほど。
週1回ほど集まり、先生の指導のもとで就活戦線を生き抜く力をつけてきました。
結果、全員マスコミに内定!!いえーい!!!
全国紙、キー局(報道記者職)、通信社…(地方紙は私だけ…!)
みんなびっくりするぐらい優秀なんです!!すごいでしょ!!(私以外)
私の就活ノウハウを伝えても反面教師にしかなりませんが、
彼らとともに「マスコミ就活勉強会」で実践していたことは、就活生のためになるのではないかと思いまして、エッセンスだけでも書いてみようと思います。
①新聞読み比べ→勝手に酷評
これは一種の企業研究ですよね。
読み比べぐらい誰でもやってるかもしれないんですけど、ポイントは複数人でやっていたこと。
7人いる勉強会のメンバーをA班とB班の2つに分ける。各班3~4人で、その中からS紙担当、Y紙担当、M紙担当、A紙担当、地方紙担当などと決めて、その週のテーマについての記事をとにかくかき集めて読みまくる。
勉強会が始める前までに、大学の図書館に集合して、各々が読み比べてきた内容を発表。
「いやあ~この狂いっぷりはマジS紙っぽいwwさすがに言い過ぎ」
「Y紙なんだから、もっと政府関係者に取材できたよねぇww内容うすww」
「あいかわらずM紙の社説はふわふわふわふわしてんなww」
「A紙の解説、小難しすぎる!この“一段上にいる”感じが鼻に付くよねww」
ってな感じで、結構ざっくばらんにディスってましたw
(もちろん、いい記事もたくさん見つけます!!!)
それをいい感じにまとめて、勉強会で発表。A班・B班でお互いに質疑し合ったり、先生からの論評を受けたりして終了。
この読み比べの醍醐味は、図書館で新聞をコテンパンにこき下ろすこと。笑
もはやここが一番楽しい。
(もちろん、いい記事もたくさん見つけます!!!!!(2回目))
「自分たちが本気で志望している新聞と新聞業界のことを、ここまで掘り下げてる学生なんていないんじゃない?」っていう変な自信も生まれます。
留学経験のあるメンバーの意見とか、自分1人の視点では気付かない発見もたくさんある。1人で黙々と読み比べるよりかは、はるかに楽しいし身に付きます。
私が新聞を今でも好きな理由は、この読み比べ会にあります。
新聞の面白さも、問題点も、未来への課題も身に沁みてわかったから。
みんな本物のプロの記者になったけど、またこの読み比べ会したいぐらい。
ただ、活字を読んで、咀嚼して、自分に落とし込んでいく作業はかなりしんどい。
とある回の読み比べ班のグループLINEの名前が「夢で文字を吐く」的なものになりました。笑
本文のフォントと紙の素材で、どこの新聞か余裕で当てられるようになります。
②作文→他人の作文に赤字を入れる
作文も、過去問集とかで過去のお題を調べて、作文用紙買って、時間測ってやれば1人できるんですが、これも勉強会でやることがポイントだったと思います。
勉強会のメンバーがゼミ部屋に集まって、神妙な面持ちで着席。
テーブルの上には、真っ白の原稿用紙と筆記用具。あと腕時計。
先生が「では、今回のお題はコレです」とホワイトボードに作文題をキュキュッと書いて、ストップウォッチのスタートボタンをピッと押して退室。
残された私達は、そこから1時間、本番さながらの集中力で作文を仕上げていきます。
大切なのは、そのあと。書いたら書きっぱなしじゃないんです。
全員の作文を人数分コピーして配布。
各々の作文を読んで疑問点や日本語的におかしいところに赤字を入れて、お互いに論評し合う。
仲の良い友人同士でもあるので、お互いの性格やバックボーンはなんとなく知っている。その上で「獅子さんらしい作文だわ~」って言われると本当に嬉しい。
この「他人の文章を添削する」ことは、本当に本当に重要だったと思います。
まず、無個性な作文ってどういうものかがわかる。
たった7人でも、書いている内容が似通ることがあるんです。その理由は、自分の体験を書いていないから。
日本の未来を憂いてみたり、若者の1人として内省してみたり。そんなことは誰でも書けるんです。その辺にいる学生なら誰でも書けそうな内容なんて、総じて面白くない。
こうして、たった800字で「会ってみたい学生」と思わせるトレーニングを積みました。
もう1つのメリットは、単純に文章力が上がります。
論文はさておき、作文を書く上での大事なことを学べました。
私はもともと文章で褒められることが多かったけど、他人の文章を添削したりされることで「読まれる文章とはどういうものか」っていうものを体得した気がします。
例えば、「四字熟語やことわざは安っぽいから使わない」とか。
作文のコツはこの他にもいっぱいあるので、また機会があればまた書くかもしれません。
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今はまだコロナの影響で大学や図書館に行けなくて、私が紹介した読み比べ会や作文会をやろうと思ってもできないかもしれません。
その場合は、ビデオ通話アプリなどを活用してみてもいいかもしれません。
マスコミ就活対策で悩んでいる人は、是非参考にしてみてください。
ただ、1つだけ注意点を言っておきます。
熱心に新聞を読んでいるからって、優秀な新聞記者になれるわけではありません。
これは本当にそう。
— 獅子まいこ(元・ゆとり新聞記者) (@shishi_maiko223) 2020年7月5日
学生時代、プチ鹿島さん並に読み比べしまくってたのがアホらしく感じた。入社後も自分のところに加え全国紙を自費で購読していた若手記者は私だけ。
当時、新聞各紙一面で騒がれていた女性防衛大臣の名前すら知らない先輩もいた。地方の若手記者はこんなもんかって思った記憶。 https://t.co/cU8HmeenbN
それでも私は、新聞を読むことを全力でオススメしたいです。
だって、面白いから!
この”面白い”にはいろんな意味を込めています。
記者になってもならなくても、メディアというものに興味が少しでもある人なら、新聞というメディアの面白さを味わっておくのはマイナスにはならないと思います。
情報に振り回されすぎないで。
私は学生時代、幸運にも同じぐらいの熱量で同じ夢を目指す友人がいて、
ありがたいことに、実践的に指導してくる元プロがいました。
何十人もの現役記者さんと会って話を聞くこともできました。
Twitterでは「#マスコミ就活」って就活生同士つながれる文化が根付いているみたいですね、すごい。
新聞社名と本名を出している現役記者さんもいるし、当時からもっと活用しとけば~と思う反面、私の性格上、いろんな情報に惑わされて心が荒んでしまっていた可能性もあるな~とも思うと、アナログな方法で良かったかなとも思う。
就活は情報戦で、体力戦。あと強いメンタルも必要です。
もし不安になったら、私の新人記者時代のポンコツ日記でも読んで「こんなヤツでも新聞記者になれたんだから大丈夫」って安心してください。笑
自分に合った方法で、戦いを勝ち抜いていってください。応援しています!
また遊びに来てください!獅子まいこでした。